カテゴリ:BookQuest( 12 )

『宿主を地球とすれば、人間はやっかいな病素である。』

海外のミステリばかり読んでいるnabetsumaにとって、上橋菜穂子の作品は唯一といっていい和モノである。(もち漫画は別よ。ちなみに上橋菜穂子、今年児童文学のノーベル賞といわれる国際アンデルセン賞〈作家賞〉を受賞)

久々に出た作品「鹿の王」。図書館に予約して2ヶ月。上下巻2日で読めた。印象に残ったのは、病原体(ウィルス)のはなし。人間と病原体の闘いには長い歴史があり、エボラ出血熱とかデング熱とかがメディアを賑わしたのはつい最近のこと。本の中に「病素も生き延びて増えたいという欲求を持っている」とある。狂犬病を例に挙げ、狂犬病にかかった宿主を凶暴にすることで他の生き物を噛めば、新しい宿主に入ることが出来、病素は増えることができる。なるほど。主役が代わればそういうことになるな。

ちょっと寄生獣を思い出しちゃったなあ。寄生獣はひとに寄生する宇宙生物と闘う話だけど、考えようによっては、地球にとって人間は寄生生物で、その寄生生物によって地球はまさに滅びゆく過程にあるわけだよね、温暖化といい。
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なんて思いつつ、本日は所有PC2機の重要な写真&書類の保存作業を行った。単調な繰り返しでつまんなーい。iBookG4くん。
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実はこの作業2ヶ月前にもやったのよね。ところが・・ちゃんとCDに焼けてなかったことが判明! なにやってんだか・・・もお!! この下の写真のCD、ぜえんぶ
「ボツ」!!!
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by nabetsuma | 2014-11-29 19:56 | BookQuest

BookQuest『ヴァランダーの嘆きと北欧と日本』

最近、3つの衣料品に「穴」が開いた!

全て「ユニクロ製品」。靴下は1〜2年はいてるかもしれないが、ワイン色のとっくりセーターとエカキのビエラのシャツ(肩の縫い合わせが破れた)は今年のよ! 
いくら安くても、こんなに品質が悪いのでは「困る!」
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ということで、昨夜はせっせと針仕事。で・・マンケルの小説<五番目の女>に、ヴァランダー刑事の娘が「なぜこの国に暮らすのはこんなにむずかしいのだろう」と、ため息をついたところ、ヴァランダーがこう答えている。

『ときどき思うんだが、それは我々がくつ下をかがるのをやめてしまったからじゃないだろうか? おれが育った時代のスウェーデンは、みんなが穴の開いたくつ下をかがっていた時代だった。おれは学校でかがりかたを習ったのを覚えているよ。そのうちに急にみんなそれをやめてしまった。穴の開いたくつ下は捨てるものになった。社会全体が変わってしまった。古くなったものを捨てるのは、社会全体の風潮になってしまった・・・途中省く・・・若い世代はスウェーデンではつい先ごろまでくつ下をかがっていたのだということを知らない。我々はくつ下も人間も使い捨てをするような国ではなかったということを知らないのだ。』

ふーーむ・・なんか分かるなあ・・日本も同じだ・・(非正規雇用、労働者全体の
1/3を越えたらしい)
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by nabetsuma | 2013-03-13 19:19 | BookQuest

BookQuest『北欧はミステリの宝庫!?』

物心ついた頃からミステリにどっぷりだった。最初はリュパンやホームズ(小学生低学年)。その後クイーンやクリスティとミステリの王道を歩んで来た。ヨーロッパから帰国ししばらくたったころ、知り合いに「面白いから読んでみて」とすすめられたのが、刑事マルティンベックシリーズだった。スウェーデンの警察小説。

著者はマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの夫婦共著。聞いたことないなあ、と思った方も、映画化された「マシンガン・パニック」は観たことがあるかも?(似たような題名で、同じく主演がウォルター・マッソーのサブウェイパニックとは違う映画)

さて、当時はスウェーデンって警察国家(小説「唾棄すべき男」がその代表)で犯罪の多い大変な国なんだなあって、福祉国家としてのイメージがまったく変わってしまった。それから約30年経ち、今度は違う友だちから「面白いミステリがあるの。読んでみて」とすすめられたのが、刑事ヴァランダーシリーズ。同じくスウェーデンが舞台の警察小説である。

作者のヘニング・マンケルは、別件で近年その名を世界中のニュースに登場させた。2010年5月31日イスラエル軍により境界封鎖されたパレスチナへ食糧や医療品などの救援物資を運ぼうとした船が、イスラエル軍に攻撃され死者を出し拿捕されるという事件が起きた。その船にマンケルが乗っており、イスラエルから国外追放されベルリンで記者会見しその無法を世界に訴えたという。

インタビューを受けるヘニング・マンケル氏。こちら=

まあ作者のことはこのへんにして、日本における刑事ヴァランダーシリーズは「殺人者の顔」からスタートする。
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読み終えその友人に「あまり面白くなかった。北欧ならすでに読んでいたラーシュ・ケプレルの催眠のほうが面白かった」と伝えたら、「もう少し我慢して何冊か読んでみて」と強くプッシュされた。

そこで、ネット書店で在庫がある順に読んで行ったら、スウェーデンの社会状況を背景になかなか味わいのあるミステリだということが判明した。そういう意味では、初回の「殺人者の顔」のヴァランダー刑事がよくないのよ! だって別居した妻に未練タラタラだし、何を勘違いしたのか出会ったばかりの美人検察官に言い寄るし「これじゃあ中年のさえない刑事物語かよ」という情けない雰囲気満載で、小説の伏線に少々うんざりしたのが原因。

ただ、主人公とその父親との掛け合いは面白い。父親の職業は・・絵描き! しかも生涯同じモチーフ(ライチョウ)の絵ばかり描いているときたもんだ、はは。殺人事件をかかえ大忙しのヴァランダーの職場に頻繁に電話をかけてくるところもなかなかの根性。電話で呼び出され、父親を訪ねていくときまって喧嘩になる。父親から「なぜおまえはいつもいつも忙しいんだ!」から始まり次から次へと質問が繰り出してきてうんざりした様子のヴァランダー刑事はこう語る。

『職業上、何百回となく尋問をしてきたが、父親から向けられる質問の執拗さにはかなわなかった』。たいへんだよね、いずこの国の息子むすめも〜

是非読んでみようと思った方々、5作目、CWAゴールドダガー賞受賞作「目くらましの道」あたりまでは我慢してちょーー
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by nabetsuma | 2013-03-12 19:29 | BookQuest

BookQuest『BlackOutその4』

ひつこく最後の「ブラックアウト」。その1〜その3はこちらをどうぞ=http://nabequest.exblog.jp/i30

この本を読んでいてなぜか一番身近に感じたのが「停電した場合の牛乳の生産」についてだった。そのくだりはこうだ。

『私たちの基本的な食品の一つ、牛乳。これらの牛乳を生産しているのは何千頭もの牛を擁する乳業工場だが、そこの牛たちは無数の自動給餌機や暖房機、搾乳機があって初めてその能力を発揮できる。大企業は非常用電源システムを持っているのでそれで数日は持つが、搾った牛乳を回収・加工する業者がすでに仕事ができなくなっている。トラックの燃料タンクが空なのだから。たとえ牛乳を集めて加工場へ運んだとしても機械が止まっている』『すでにできあがっている乳製品は巨大な冷蔵冷凍室に保管されていて、電気が止まれば冷却も止まり痛んでくる』『商品が傷んでいないとしても輸送の問題があり商品を倉庫から商店へ運べない』

これらは人間さまの都合のはなし。最も悲惨な出来事はこの後にやってくる。

『酪農家の牛舎では機械で搾乳できないため人の手で搾乳が続けられるも限界があり多い時には一日に40リットルの乳をだす牛たちの乳腺はパンパンに張って苦しむようになる。つまり最後には何百万頭もの乳牛が乳房を腫らし耳を聾するような悲鳴をあげもがき苦しみながら死んでいくことになるのだ』
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うーーん・・息子を生んでしばらくして乳腺炎になったことがある身としては牛さんがどういうことになるかは想像できる。

ちなみに酪農って年中無休で本当に大変な仕事だ。「銀の匙 Silver Spoon」を読めばよく分かる。

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by nabetsuma | 2013-03-04 17:18 | BookQuest

BookQuest「3年ぶり・・」

カテゴリを作って「3年」になる『BookQuest』。作ったことさえ忘れてた、はは。昨今といえば、ドイツ北欧のミステリを読み始め、いま読んでるのはアイスランドもの。そうそう、アイスランドといえば、国家破綻か!?と言われた金融危機(国みずからがヘッジファンドになってしまったらしい)、火山の噴火によるヨーロッパ主要空港の閉鎖などなど話題に事欠かないお国だね。

で、アマゾンのマーケットプレイスから本を買っていると、時々独創的な『梱包品』が届くことがある。独創的と言えば聞こえはいいが、まあどちらかというと
苦肉の策?
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現在、マーケットプレイスの本の送料は一律250円。ゆうメールで送られてくることもあるが、本の厚みが「1cm」「2cm」ならメール便が安いので、差額を出品者はゲット。だがメール便、厚さのチェックが厳しく、プチプチで包装してると2cmを超えアウト。そこで、特に痛みやすい四方の角だけこうやって補強して送られてくる。
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なんかねえ・・ちなみにノイハウスの「深い疵」、題名に惹かれて注文。アマゾンの評価は良かったのに面白くなかった(宣伝文句が「ドイツでシリーズ累計150万部突破、弩級の傑作!」当てにならず)。ちゃんちゃん

**ドイツ・北欧・アイスランド・・土地名&登場人物名が覚えられずで、読み終える頃にやっと少し馴染んでくる・・現在読書中の「魔女遊戯」、作者名はイルサ・シグルザルドッティル。先ほど読み終えた。ふむ、面白かった。

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by nabetsuma | 2013-02-28 15:18 | BookQuest

BookQuest『Nippon、クライシス!その3』

もう少し語りたい、『ブラックアウト』。真冬の停電による社会機能の崩壊は、「寒さ」「飢え」に加え「情報のなさからくる不安」に拍車をかける。
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具体的にどういうことが想定されるのか、本の内容からちょい綴っておこう。
<短期>
◎突然の停電により、まず信号機が消え交通事故が多発。
◎電車・地下鉄・航空機、電気系統のコントロール不能に至りすべて運行停止。
 電車地下鉄、建物内のエレベーターの中に人々が閉じ込められる。
◎ガソリンスタンドに行列ができるも給油ポンプが使えなくなり、人々の移動に
 支障が出てくる(電気以外の暖房手段を持ち、自給自足機能のある田舎へ移動
 できなくなる)
◎コンビニ・スーパーはレジが使えなくなりそのうち閉店。買い物をしようにも
 クレジットカードが使えないため現金を求めて(口座から引き出そうとして)
 銀行に長蛇の列ができる。銀行は営業時間を短縮、そのうちすべて閉店となる。
◎株式市場は大混乱をきたし、電力株等が暴落し上場企業によっては破綻にむかう。
◎携帯電話の電池切れが始まり、家族間等連絡がとれなくなる。

<中期>
◎マスコミの媒体機能が停止、情報が末端に届かなくなり人々に動揺不安が広がる。
◎公務員が職場に出て来なくなり(自分と家族の世話で手一杯)、役所自体が
 運営不可能となる。
◎経済活動・流通が停止。食物供給が不能となり少しずつ飢えが広がってくる。
◎スーパーや商店への略奪が増え警察介入が頻繁となる。
◎寒さから屋内で火を燃やす等の誘因から火事が増え、消防士や救助隊の疲労が
 限界を超える。
◎病院は自家発電に切り替えるも、電気を多く使うレントゲン検査などを控えトリ
 アージュ順の治療となる。加えて、流通手段が断たれたため薬の供給できず、
 患者の死亡が増加する。

<長期>
◎牛豚鶏などの家畜を始めとして寒さや飢えでなくなる人たちが増え、トイレも
 流せずで伝染病のリスク増大。
◎原子力発電所の冷却機能が停止となり、核燃料棒や使用済みの燃料棒のメルト
 ダウンが刻々と迫る。

などなど、つまりは3.11で日本の東北に起こったことが同時に日本中で起きたらと想定すると想像しやすい。一部の地域のみの停電であれば、他の地域からの応援融通も可能だろうが、ブラックアウトに描かれているようにヨーロッパの全域で停電が起こったとすると完全にお手上げ状態となる。

本に書かれていた
『停電時における重要点』=水・食料品・医療・宿泊・コミュニケーション・公共の秩序・交通機関・お金&金融・その他インフラ・電力供給・国際関係・・・
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by nabetsuma | 2013-02-13 13:32 | BookQuest

BookQuest『Nippon、クライシス!その2』

「停電」・・それは社会の根源を揺るがす大事だ。だからといって電力供給の安定のために原発が必要なんていう理論には絶対にならない。だいたい停電したら一番危ないのは原発なのだから。1997年製作の映画、チャイナ・シンドローム(「炉心融解/メルトダウン」のことをこの映画以降チャイナ・シンドロームと呼ぶようになった)当時映画を観た記憶はあるが、この図などは今観るほうがよく理解できると思う。
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ちなみに実際に原発事故が炉心溶融までに至った例として、ウィキに次の3例が挙げられている。
  ◉1979年のスリーマイル島原子力発電所事故(アメリカ合衆国)
  ◉1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故(ソビエト連邦、現ウクライナ)
  ◉2011年の福島第一原子力発電所事故(日本・現在進行中

小説「ブラックアウト」では、原子力発電所に電力がシャットダウンされ冷却水を供給できなくなり、使用済み核燃料冷却プールに納められている燃料棒(これらは原子炉そのもので使用されている燃料棒より多い)の暴走が深刻になっていく様子が描かれている。そういえば我が国も使用済みの燃料棒が大量に保管されているはず。。。それでもまだ作るってか原発を?

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by nabetsuma | 2013-02-08 20:10 | BookQuest

BookQuest『Nippon、クライシス!その1』

いろいろ考えさせられたミステリ。「ブラックアウト」。ま・さ・に、「福島以降」では、ミステリでさえこうなるのかの展開(いつ起こっても不思議ではなく)。小説としては可もなく不可もなくのレベルだけど、ノンフィクションと捉えれば非常にこわい。
   

いま、大停電が起こったら世界はどうなるのか・・それが数時間〜2週間起こった例がこれまでもあったが、少なくとも世界が破滅に向かうことはなかった(原発のメルトダウンを避けられたから)。

◉世界の大停電=こちらhttp://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20120906001

2006年11月にヨーロッパ8カ国を巻き込んだ停電が起こった後に、ヨーロッパ全体でより統一的な送電政策を導入する必要性を指摘する声も上がったらしいが、それを逆手に取ったような事件がこの「BLACKOUT」で起きている。

みなさん、最近スマートフォンを初めとして「スマート家電」とか「スマートなんちゃら」という言葉をよく聞きませんか? その大元になっているのが
スマートグリッド/smart grid通信・制御機能を付加した電力網のことである。それを可能にするのが「スマートメーター」なるもの。いろんなことがデキちゃう、ということが、いろんなことが『勝手に』できちゃうになっちゃう恐怖が「BLACKOUT」で描かれている世界。
ようするに、ハッカーによる電力テロ

Fukushima以前とFukushima以降ではすべてが違うのだ。我々日本人より他所の国の人々の方がずっとシビアに感じている。ただしこれからは、地震が起こらなくとも津波が来なくとも、ただサイバーテロを受けたらひとたまりもない。

(小説に直接関係ないけど、このスマートメーターを東電と関電は導入して検診員をクビにしようとしてるらしいけど、人を切って誰が幸せになるんだろうか?)

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by nabetsuma | 2013-02-07 14:48 | BookQuest

BookQuest「ミステリ厳選50/その4、5」

金曜はミステリの日。

今回の厳選ミステリは「2作品」を紹介。
『CHIEFS/警察署長(上下巻):スチュアート・ウッズ、真野明裕訳』1987年刊行。
ハヤカワ文庫各巻861円。本書にてウッズは1982年の「MWA最優秀新人賞」を受賞した。この原作よりテレビドラマが製作され、某公営放送で放映されたので覚えておられる方もいらっしゃることだろう。なかなかよく出来たドラマで、キース・キャラダイン(兄はキル・ビル等の俳優デビット・キャラダイン。去年バンコクで謎の変死)が怪演していたことを思い出す。
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『GRASS ROOTS/草の根:スチュアート・ウッズ、矢野浩三郎訳』2000年刊行。
文春文庫920円。

f0068334_16582042.jpg「警察署長」の続編と言えなくもない(警察署長が対KKKならこちらはVS白人至上主義過激派団体)非業の死を遂げた警察署長の孫となる「ウィル・リー」が主人公となるのが「草の根」。本書は、アメリカ合衆国上院選挙の選挙戦のさなか、ウィル自身が担当する裁判に選挙のゆくえが絡まったクライマックスへ怒濤の突入を見せるジェットコースター型リーガル・サスペンスである。

2作共に面白いです。評価も2作品総合でいきます。

  ◉総合的推薦度:☆☆☆☆☆
  ◉謎解き推理度:☆☆☆☆☆
  ◉サスペンス度:☆☆☆☆☆
  ◉知的情報要素:☆☆☆☆
  ◉ロマンス要素:☆☆☆


スチュアート・ウッズは非常にうまい作家だと思う。読んでいて読みやすいし、内容が複雑すぎず(読んでいる途中で分からなくなるという謎が謎を呼ぶタイプではないということ)、それでいてエンターテインメントに溢れており展開はダイナミックだ。。。あははーー書評が横文字まみれになっちゃったあ〜〜

2月生まれの方々!ハッピィバースディ〜 いえぃ!
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もちパートナーからではありませぬ。友人から〜(これからの人生、持つべきモノは・・友だちです!)Kちゃん、ありがと〜
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by nabetsuma | 2010-02-12 17:33 | BookQuest

BookQuest「ミステリ厳選50/その3」

金曜はミステリの日。

3回目の厳選ミステリは、
『The Scold's Bridle/鉄の枷/ミネット・ウォルターズ、成川裕子訳』2002年刊行。
創元推理文庫1155円。

f0068334_14115893.jpgデビュー作「氷の家」で英国におけるミステリーの頂点「CWA(英国推理作家協会)最優秀新人賞」を受賞し、乗りに乗って書かれた第3作がこの「鉄の枷」。1994年、CWAゴールド・ダガー賞(最優秀長編賞)受賞作。ゴールド・ダガー賞、なんと賞金が£20,000(約300万円)。推理小説の賞金としては世界最高額だそう。
ある資産家の老婦人が仕置きをされるときに装着される鉄の枷を頭にはめられ殺される。その謎解きは老婦人の複雑な人間関係を絡め、最後の最後までその糸口を見せようとはしない。
  ◉総合的推薦度:☆☆☆☆☆
  ◉謎解き推理度:☆☆☆☆☆
  ◉サスペンス度:☆☆☆☆
  ◉知的情報要素:☆☆☆☆
  ◉ロマンス要素:☆☆☆☆☆

nabetsumaの大好きな推理小説作家ベスト3に入るミネット・ウォルターズ。手元に7作品あるのだが、そのなかでもダントツにロマンス的要素が強い。殺人事件のさなか、浮気性のおとこが意外なところで「ここだけの話、ぼくはぼくの怒りっぽい女房を心から愛している」と真摯に語る台詞が頭にこびりついている。えええっーー、そうなん?? だとすると話がまったく違うやん!! ってなかんじ。。。(ちなみにその浮気性のおとこの職業は・・画家。)
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by nabetsuma | 2010-02-05 14:38 | BookQuest

ヴィンテージ・ナベを国内外から収集し「鍋道」を極めんがため精進する不敵な奥様。


by nabetsuma
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