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『1年間のカルチャー体験記:その2』

「語学」って、習う必要がなくなる運命にあるよね。すでに翻訳機がやってくれる端末が開発されたらしい。ウエアラブル翻訳デバイス「ili(イリー)」は手のひらサイズで月々3980円。この6月から法人向けサービスが開始だってさ。動画はこちら=http://iamili.com/ja/

じゃあ、なんで語学学校なんかに通ってんの?と聞かれれば、それはね、会話のためだけに通ってたわけじゃないから。具体的に言うと、今季最後の宿題は「京都議定書とパリ協定のそれぞれの特徴と相違点」について作文することだった。これは大変だった。何が大変かというと、じゃあ日本語でそれらを説明できるかというとできないじゃん! つまりは話す内容がないとそれを英訳したって仕方ないわけ。

下の写真はこの1年間使用したテキストだ。内容はバラエティに富んでいるが、一貫したテーマは「地球環境」。だから最後の宿題は授業の主旨からすれば『王道』だった。つまりこの1年間学んだことは「話すこと」というより、様々な「地球上の問題を知る」ということだったように思う。
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昨年の夏だったか、阪急電車の中でフランス人親子の乗り換え案内を手助けしたことがあった。幼い子ども連れの30代の夫婦は初めての日本の旅を終え関空に向かう途中だった。東京から始まり東から西へと移動しつつひと月ほどの旅を大いに満喫した様子で、その感想を興奮した様子で語ってくれた(英語で)。で、最後に「ひとつ聞いてもいいかな?」の質問に大いに狼狽させられた。

「原発問題についてあなたはどう思う? 日本は福島で痛い経験をしたのになぜ原発止めないの?」。これをベラベラと語ることができるほどの英語力がないのは言うまでもない。だが・・感じたのは「意見」がないと何も語れないということ。語学というのは「人と関わり合う時の手段」にすぎない。「いかに話すか」ではなく「何を話すか」なのだと悟った。
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by nabetsuma | 2017-03-06 20:44 | ナベツマジャンク