『36年ぶりの入院・・その6』

失われてゆく、我々の内なる細菌」、エカキの書評はこちら=http://sumus2013.exblog.jp/25194515/

「失われてゆく、我々の内なる細菌」によると、抗生剤の乱用が耐性菌を生み出し、それが様々な弊害を起こしているのは間違いないようだ。「薬と毒は紙一重」というところか。本の中で2番目に驚いたのは、人間はどの時点で抗生剤の洗礼を受けているのかという話で、まずは出産時に会陰切開、もしくは帝王切開の際だそうな。「会陰切開」とは出産時に赤ちゃんが生まれやすいように会陰部(膣口と肛門の間部分)を切開して赤ちゃんの出口を広げる処置方法。日本においては初産の場合には7〜8割の割合で行なわれているもようだが、その数は減少傾向にあるそうな。ただお国事情はあるようで、日本では帝王切開というのはやむを得ず行なわれるべきものだが、例えばブラジルでは全体の7、8割を占めているらしい。ブラジル以外の帝王切開の割合は以下である。
         <世界の帝王切開の割合>
35〜46% アルゼンチン、イタリア、メキシコ、韓国
30〜35% アメリカ合衆国、オーストラリア、ポルトガル、チリ、ウルグアイ、パラ
      グアイ
25〜30% カナダ、中国、スペイン、スイス、ドイツ、アイルランド、エジプト、
      オーストリア、ハンガリー
20〜25% イギリス、デンマーク、トルコ、ルーマニア、南アフリカ、ペルー、ニュ
      ージーランド
15〜20% 日本、ロシア、フランス、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、
      ベルギー、ポーランド、タイ

帝王切開は手術になるのだから抗生剤の投与は当然である。生れたときから抗生剤、という図式のできあがり。いずれにしても出産時に抗生剤を避けられたとしても5才になるまでにはどこかの時点で抗生剤の洗礼は受けるもの。体内には1.3kgの菌がいるということを最初に書いたが、これらの菌が体内のバランスを保っているわけで、抗生剤の使い過ぎはこの体内バランスを崩してしまう原因になっていることは否めない。

かの国おフランスでは、かつて国を挙げて「抗生物質を自動的に飲んではダメ!」キャンペーンを5年間行なったそうな。それで抗生剤の使用を26.5%も減らすことに成功。詳しくはこちら=http://kanshoku.org/medicine/antibiotic/

つくづくフランスってスゴい国だなあって思う。何度訪れても進んでいるのか遅れているのかよく分からん国なのだが、一旦こうだ!となるとパンだって白い小麦粉から全粒粉のトラディション粉に国を挙げて変えてしまうのだから。

とは言いつつも、今回の肺炎を治してくれたのも抗生剤なのだし、この抗生剤なしに今の長寿社会もまたあり得ないわけで、薬というものの両面性をよくよく考えて賢く使っていきたいと思うのであった。
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by nabetsuma | 2016-05-13 08:08 | ナベツマジャンク

ヴィンテージ・ナベを国内外から収集し「鍋道」を極めんがため精進する不敵な奥様。


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