2010年 01月 29日
BookQuest「ミステリ厳選50/その2」
2回目の厳選ミステリは、
『NUMBERD ACCOUNT/匿名口座/クリストファー・ライク、土屋京子訳』1999年刊行。
講談社文庫上下巻各820円。
◉総合的推薦度:☆☆☆☆☆
◉謎解き推理度:☆☆☆☆
◉サスペンス度:☆☆☆☆☆
◉知的情報要素:☆☆☆☆☆
◉ロマンス要素:☆☆☆
「金融サスペンス」というジャンルがあるかどうかは別として、もしあるとしたらこのクリスファー・ライクがダントツかと思う。。。東京生れ、ロス育ち、スイスで銀行員を経験した後執筆活動をスタートさせたという経歴の持ち主。この「匿名口座」は処女作である。しかもエドガー賞新人部門の最終選考まで残ったらしいが、賞を取っていてもなんらオカシくはない。この作品も読み始めるとノンストップもの。この後「謀略上場」「テロリストの口座」と3作品が日本では翻訳されており、それぞれがちょうど書かれた時代を反映し(謀略上場はライブドア事件、テロリストの口座はアメリカ同時テロを)それなりに楽しめるものの、いずれもこの処女作には及ばない・・
巨大銀行を舞台に、父親の謎の死が絡んで金融の世界の歪みが明らかになっていく。。。
2日で読めるエンターテインメントです〜 映画化されていないのが不思議だな。。。